【LEGOオリジナル作品】レゴ『ホグワーツ魔法魔術学校』制作過程を大公開

こんにちは、Keibricksです。今回は私のオリジナルLEGO作品『ホグワーツ城』について、メイキングの様子を大公開していきます。最後までどうぞお楽しみください。

まずは作品からご覧ください。

こちらは友人に「レゴスタジオツアー@JBFを作ろう!」と声を掛けて始まった魔法界作品群の最新作です。

映画ハリー・ポッター シリーズに登場する印象的なシーンをレゴで制作しています。「まるで映画に入り込んだかのような没入感を楽しんでもらえる作品」をコンセプトとし、写真や映像では味わえない実物のディティールの細かさや迫力を感じていただけます。

ホグワーツ魔法魔術学校は4人の創始者によって建造された魔法界の学校ですが、魔法使いを外的要因から守るため要塞としての機能もあります。

イギリスのスコットランドに存在します。城は険しい岩山に建てられており、周囲には深い森と湖があります。城全体には強力な魔法がかけられており、マグル(魔法使いではない人間)には廃墟のように見えます。

みなさんがハリー・ポッターと言えば思い浮かぶシーンは何でしょうか?

私は主人公のハリーが魔法世界の存在を知り、リアルからファンタジーの世界に飛び込んでいくホグワーツ魔法魔術学校への入学場面が真っ先に思い浮かびました。ホグワーツへ入学するシーンは、シリーズの始まりを象徴する重要なシーンで、ここからハリーの新しい人生が始まるのです。

ボートを使って暗闇の湖面を漕ぐ新入生が最初に目にするのは、湖面に映り込んだ光り輝く壮大なホグワーツ城。星空を突くほど高い塔が並ぶこの美しい光景の中で期待と不安が入り混じるハリーたち1年生と同じように、私たちもこの城を見上げました。

《ワーナー・ブラザース・スタジオツアー東京》では映画スタッフが作り上げたこの巨大セットが展示されています。私もこの城の美しさに魅了され、「この美しい城をレゴで作りたい」とプロジェクトをスタートさせる決意をしました。JBF2024で展示するのは大広間とメイン塔、そして学生寮がある回廊です。塔の高さが90cm、全長は130cmを超える歴代最大級の作品となりましたが、これでも全体像の5分の2程度です。

まだまだ制作していかなければいけませんし、 JBFに間に合わせるために省いた手直ししたい箇所も沢山あります。この作品と向き合い、「ホグワーツ城全景」として完成できるよう頑張りたいと思います。様々なイベントで展示を計画していますので、ぜひ生で見てください。

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制作をするにあたって、スケールをどうするかとても悩みました。理想を言えばミニフィグサイズで作りたいところですが、会議室を占拠するほどの大きさとなってしまうため現実的ではありませんし、仮にパトロンが現れて作れたとしても収納場所がありません。

商品化しているレゴ社のセットはどれも遊ぶ前提で設計されており、映画の各場面を見るのは楽しいのですが、片面しか壁がなく建築物としては美しくありません。作りたいものに近かった2018年に発売された《71043 Horwarts Castle》では、細かなディティールがかなり省かれており、城のリアリティが欠けているように感じました。結果マイクロフィグスケールの城として、71043の3倍の大きさで作ることに決めました。

「360度どこから見ても美しい城をつくりたい。そして、城のディティールを細かく再現したい。」という想いで制作を行いました。

制作風景を載せていきます。最初に組み上げたのは大広間です。3Dソフトで大まかに設計し、実際に組み立てる段階でディティールにこだわっています。大きな作品になると強度面だけでなく運搬を想定しなければいけないので、組みながら何度も検証しました。また、実際に作ってみないと全体のバランス感や物量が把握できないので、作っては壊してを納得いくまで繰り返しています。大広間の屋根部分にある塔も4代目です。

城内部を設計していきます。室内をつくりながらこれだけの大きさのものの強度を高めるのはとても難しかったです。

天井には10本の柱を通しつつ、天空に抜ける開放感を損なわないよう設計しています。映画と同じ吹き抜け構造につくったので照明を入れることも可能です。

次にメイン塔を制作していきます。この塔は天文塔に次ぐ高さで、動く回廊やダンブルドアの校長室、グリフィンドール寮があるとされています。(ちょっと待て、、これより大きな建築物をまだ今後作らなければいけないということじゃないか…)

最大の難関はこの円形です。既存の円形パーツにはこの大きさを再現できるものがなく、強度も全然足りないのでどうするかとても悩みました。以前「ダンブルドアの校長室」を作った時に試作していた円形組みが大いに役立ちました。その時よりもさらに強度を上げつつ、隙間の少ない美しいメイン塔を作ることができました。まるで土管です…。この上に巨大な円錐屋根を設置すれば、ホグワーツ城のシンボルが完成します。

円錐屋根はボールジョイントやテクニックパーツを多用して組んでいます。

そして寮塔です。今度は横にも大きい建造物です。基礎版4枚で構成しました。あまりにも大きすぎて組んでも組んでも進んでいるように見えません。難易度の高い円柱の塔がいくつもあって中庭もあるので、正直とても苦痛でした。初代の寮塔は2倍ほどの大きさがありましたが、間延びして緊張感に欠けたため一度解体して作り直しています。途中、円柱の塔のパーツ不足やモチベーション低下などで想像以上に時間がかかってしまいました。それでも完成した時の達成感はひとしおでした。

今回は時計塔も連絡橋もこの寮塔にありませんが、今後改築していくことになると思います。

いかがでしたでしょうか。作品の制作期間は実生活もバタバタとしていて時間もなく、心身ともに押し潰されそうでした。

それでも、ビルダーとして生半可なものを世に出さないと覚悟を決めて取り組んだ大切な作品です。ホグワーツ城をつくったAFOLは世界中にたくさんいますが、私の作品もどこかの誰かに刺さるといいなと思っています。そしてレゴ界隈を盛り上げる一翼を担うことができれば本望です。

最後に、このホグワーツ城の全ピース数およそ20,000個、制作期間は2ヶ月です。改良を続けイベントに出展していく予定です。今後とも宜しくお願いいたします。最後までご覧いただき有難うございました。次回もお楽しみに!

ハリーポッターオリジナル作品『ダンブルドアの校長室』もレビューしていますので、もし宜しければ合わせてご覧ください。

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