レゴ社の未来はどうなる!?マニアが見るLEGOの現状分析

こんにちはKeiです。

実は近頃「レゴ社このままだとヤバくない?」と感じるようになってきました。あまりに優秀なマーケティングをしすぎているのが原因ではないかと考えます。なぜそう感じるようになったか、個人の見解を書いていきたいと思います。

一つは商品のラインナップを見ていると「近年オリジナル商品に目立ったヒットがない」ことが挙げられます。

創意工夫のエネルギーを奪っていく新シリーズとは

マリオ、スターウォーズ、ハリーポッター、アベンジャーズ、ジュラシックワールド…。見渡す限り現在のレゴ主力商品はどれも他社の版権シリーズです。

いくらなんでも版権シリーズ頼りの他力本願ブランドすぎませんか?

これらはどうしても価格が高く、版権モノの割合が増えるとレゴ全体が「高い」マイナスのイメージを持たれてしまいます。いま自社オリジナルシリーズに全然ヒット商品がないわけです。

レゴ社が何もしていないわけではありません。近年はモンキーキッドやヒドゥンサイドなど力を入れた新シリーズを投入してきました。しかし、どれも鳴かず飛ばずでいまにも消えていきそうです。

最後にヒットしたのはニンジャゴーシリーズです。次のヒット作を育てられずずっとドラゴンやメカをこすり続けてニンジャゴーたちを酷使しています。毎年かたちを変えた「あつ森」をリニューアル発売しているような狂気さです。

「そうは言っても大人シリーズが成功しているじゃないか!」

そうです大人シリーズが今の屋台骨を支えています。ですがこれが一番危険な商品です。たしかにこのシリーズは、とても満足度が高くて買いたくなる商品ではないでしょうか。ぼくもたまに良い商品を見つけると喜んで買っています。けれど、これまでのシリーズと大きく違う点が2つあります。

・子供をターゲットにしていないこと。

・もう一つはクリエイティビティがないことです。

遊んでくれる子供ではなく、インテリアを目的にした大人をターゲットにしています。もちろん大人も遊ぶとは思いますが、子供とは遊び方が変わってきます。

子供の遊びは想像力がメインです。

対して大人はリアリティーに魅力を感じます。

このリアリティの訴求をしすぎると想像の余白が失われてくるのです。あまりに現実的で、遊びにくいシリーズだと感じます。細部表現の完成度が高すぎて「レゴ社デザイナーでもない素人」が手を加えて遊びにくい商品になってしまっているのです。これに手を加えれる大人は、パーツストックが潤沢なマニアだけです。

結果、ブロックで遊ぶ楽しさを十分に提供できておらず、組み立て終わった大人レゴたちの行き着く先は棚で埃をかぶったコレクション群の一部です。

繋がりのない断片的なラインナップにどのくらいの固定ファンが買い続けるでしょうか?個々をシリーズとしてまとめているだけであり発展が難しいシリーズと言えます。

では大人シリーズはこの先どう発展していくか?

きっと今後はディティールの表現が益々リアルになっていき、遊ぶ余地をどんどん奪っていくでしょう。せめてできることといえば、コレクション欲求をさらに満たす横のつながりを強化することでしょうか。

大人レゴには内部のディティールまでこだわりが見えるので、触りながら仕組みを学べる学習用教材としての需要もありそうです。

レゴで遊ばなくなってくる年齢の子供たちを、学習も兼ねて大人シリーズへとうまく誘導することができれば、引き続きファンとして支えてくれます。大人シリーズに移行した先に遊ぶ提供ができれば、このシリーズは盤石なものとなるかもしれません。遊ぶ・学ぶ提供を強化することができなければ、レゴの創作意欲を削ぐ大戦犯シリーズとなるでしょう。

会議で遊び方を考えすぎてしまったレゴ社

新商品と高価格商品を乱発していることにレゴ社の焦りも感じます。入れ替えのサイクルが早まり、学生が手を出しにくくなっていると思われます。

「欲しい商品出た! 高いなあ、、お小遣い貯めなきゃ」

「え、もう販売してないの? メルカリ探してみるか…」

こんな声が聞こえてきそうですね。

高価格帯が増え、コンビニの新商品のように「試してみるか」で買える価格ではないのです。「何が発売されるか分からないけど大金貯めとくか〜」なんて言いだす子供はほとんどいないでしょう。目先の利益を追求しすぎるだけでなく、長期的に売れるシリーズの種まきをもっとして欲しいと思います。

ニンジャゴーに変わる人気シリーズはもう生まれないのか?

このシリーズはマーケティングの集大成です。

かつて様々なシリーズがレゴから出ていました。

・お城

・バイオニクル

・ショーグン

・アトランティス

どれも無くなってしまったシリーズですね。

レゴ社は長年こどもが夢中になる新商品は何か、ずっと考え続けていました。たくさんの子供たちにアンケートを取り、ヒットのキーワードを集め続けたのです。

そして男の子が夢中になるものがニンジャゴーに集約されていきました。(戦い)(ヒーロー)(昆虫)(ロボやメカ)(乗り物)(秘密基地)(ファンタジー)などです。

どれも過去のシリーズがレゴ社に与えた子供達のワクワクする言葉です。

終売になったシリーズの良いとこ全部盛りが今のニンジャゴーシリーズなのです。(今や、なんでも出てくるカオス状態ですもんね。笑)

くわえてメディアミックスが人気を後押し、マーケティングの成功事例となりました。

じゃあこの成功材料を調理し直せば、次の人気シリーズが出てくるんじゃないの? と考えるでしょう。なぜ現状は出てこなくて、ニンジャゴーにいつまでも頼りっぱなしなのか。

それは会議や調査をしすぎたからです。

「こういうのが好きなんでしょ?」と頭の良い人たちによって「子供はこういう遊び」と決めつけてしまったからです。いまのシリーズはどれも子供の遊びに細かな設定を与えすぎて制限しているといえます。

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たとえば火を消す消防車はとても残念でした。こんな商品なくても、子供の目には火事になった建物を想像力で作り出せるのです。泥棒は脱出ギミックがなくても、想像力で勝手に脱出させる方法を考え出すんです。

今後は、遊びの想像力に余白を与え、「自分ならこう遊ぶ」と、ときめくシリーズが出てくることを願います。

それでは、また。

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