私は「レゴは大人レゴの発売により、再現系レゴのリアリティを突き詰めるフェーズに入ったので、遊ぶという余地を奪ったのではないか」という記事を4年前に書いています(▶️レゴはこのままで大丈夫?大人向け路線と版権依存に感じる違和感>>)。
マーケティングの力が強くなり、売上至上主義を求めすぎた結果「遊ぶ行為」を奪ってしまったのではないかと懸念したのです。
長くレゴで遊んできた人ほど、そう感じたことがあるはずです。
ブロックという極限まで単純化された仕組みで、ここまで長く、深く、世代を超えて遊ばれてきた玩具は他にありません。
だからこそ、「これ以上どこへ行くのか?」という問いが、常につきまとっていました。
そして、レゴ社はこのファンの不安に対し、一つの回答を2026年の最初に発表しました。
2026年、CESで発表された LEGO SMART Play™ は、世界中のレゴファンを驚かせたのではないでしょうか。 CESとは、世界最大級のテクノロジー見本市「CES(Consumer Electronics Show)」の2026年開催回のことです。
私が驚いたのは、「デジタル化」や「高度化」というありきたりで分かりやすい方向ではなかったことです。
むしろレゴ社は、遊びの主導権を子どもから奪わない という、極めてレゴらしいど普遍的なコンセプトをブレずに提示してきました。
LEGO SMART Play™とは一体何なのか?

LEGOがCESで発表したのは、“まったく新しい遊びの仕組み”
CESは本来、最新ガジェットやテクノロジーが主役の展示会です。レゴにとっては、少し場違いとも言える場所でしょう。
それでもLEGOがこの舞台を選んだのは、SMART Play™が「新しいセット」ではなく、新しい遊びのインフラだったからです。
SMART Play™は、特定のテーマやシリーズに閉じた仕組みではありません。レゴという“遊びの土台”そのものに、静かに組み込まれる技術ということです。だからこそ、世界中のテック関係者が集まるCESで発表すると決めたのだと思います。
SMART BRICKが意味する「レゴが遊び返す」という概念
SMART Play™の核心は、「音が鳴る」「光る」ことではありません。それ自体は、これまでも多くの玩具がやってきました。
本質は、レゴがプレイヤーの行動を解釈し、返答する という点にあります。
速く動かせばエンジン音が変わる。
ぶつかれば衝突音が鳴る。
ミニフィグが倒れれば、痛みの声を上げる。
これは“演出”ではなく、“反応”です。SMART Play™によって、レゴはこれまでこちらが命を吹き込むような遊び方を我々はしてきましたが、今回初めて「無言の素材」から一歩進んだと感じました。
LEGO SMARTブリックの仕組みを分かりやすく整理

SMARTブリックに搭載されている技術一覧
SMART BRICKには、センサーや加速度計、光・音の検知機構、小型スピーカーなどが詰め込まれています。
しかし、LEGO側はニュースのどこを見ても、それを一切誇示していません。
説明書に「ここを押す」「この順で操作する」といった指示はほぼありません。
あくまで いつものレゴと同じように組み、触り、動かすだけ です。
これは技術的な制約ではなく、思想の選択です。
「遊び方を説明し始めた瞬間、レゴではなくなる」
LEGOはそれをよく分かっているのでしょう。レゴの遊びは大人が強制するものではないのです。
SMARTタグとSMARTミニフィギュアの役割
SMART Play™では、ブリック単体ではなく「関係性」が重要になります。
SMARTタグやSMARTミニフィギュアは、単なる識別パーツではありません。
どこに置かれ、何と向き合い、どう動いたか。
その文脈をブロック側が読み取ることで、反応が生まれます。
これは、プログラムではなく空間認識による遊びです。
だからこそ、組み替えた瞬間に本当の意味が立ち上がるのです。
過去の「電子レゴ」と何が違うのか?

Mindstorms・SPIKE・スーパーマリオとの違い
Mindstormsは学びの道具であり、SPIKEは教育の延長線です。スーパーマリオは、明確に「ゲーム」です。今回のSMART Play™は、そのどれにも属しません。
スコアも、ゴールも、ミッションもない。
評価されるのは、正解ではなく「どう遊んだか」ということです。
SMART Playが目指しているのは「想像力の増幅」
SMART Play™は、子どもに何かを“させる”仕組みではないということがお分かりいただけたでしょうか。
むしろ、子どもの行動に対してブロックが「それ、面白いね」と返してくる存在になったということです。
これは、AFOLがMOCを組むときの感覚にも近いですね。完成形より、途中の試行錯誤そのものが楽しい。
SMART Play™は、そこに寄り添ってこれから進化していくのでしょう。
なぜ最初がスター・ウォーズなのか?

音・光・物語性が最も活きるテーマ
個人的にはハリポタファンとして「最初はハリーポッターが良かったなー!」とライバル視している他のコンテンツに負けた悔しさも(ほんの少し)ありますが、スター・ウォーズは、視覚と聴覚の記号でできた世界だからだと思います。ライトセーバーの音、エンジンの轟き、テーマ曲。
どれもSMART Play™の持つ「反応する仕組み」を、最も直感的に伝えられるIPとして最適ですので異論はありません。
スター・ウォーズは“再現”より“再解釈”に向いている
そしてレゴスター・ウォーズの魅力は、正確な再現だけではありません。「もしこの戦いが違う展開だったら?」という想像の余地があります。遊んだ人だけが作る新しいオリジナルスターウォーズの世界が生まれやすいのです。
SMART Play™は、その“もしも”を肯定する仕組みだと言えます。
3つのLEGO SMART Play™ スター・ウォーズセット製品情報
LEGO® スター・ウォーズ™ SMART Play™:ダース・ベイダーのTIEファイター™ ビルディングセット

- セット番号:75241
- 対象年齢:8歳以上
- ピース数:473
- サイズ:高さ約4インチ(10cm)×長さ約4インチ(11cm)×幅約5.5インチ(15cm)
- LEGO SMART ブリック ×1
- ダース・ベイダーのLEGO SMART ミニフィギュア ×1
- TIEファイターのSMARTタグ ×1
販売情報:
- 予約開始:2026年1月9日
- 発売日:2026年3月1日
- 価格:69.99 EUR / 69.99 USD / 59.99 GBP / 99.99 AUD(日本予想価格:11,980円〜12,980円(税込))
LEGO® スター・ウォーズ™ SMART Play™:ルークのレッド・ファイブ Xウイング™ ビルディングセット

- セット番号:75423
- 対象年齢:6歳以上
- ピース数:584
- サイズ:高さ約2インチ(6cm)×長さ約8.5インチ(22cm)×幅約7.5インチ(19cm)
- LEGO SMART ブリック ×1
- ルーク・スカイウォーカー、プリンセス・レイアのLEGO SMART ミニフィギュア ×2
- Xウイング、帝国軍タレット、輸送車、司令センター、R2-D2用アクセサリーのSMARTタグ ×5
販売情報:
- 予約開始:2026年1月9日
- 発売日:2026年3月1日
- 価格:89.99 EUR / 89.99 USD / 79.99 GBP / 149.99 AUD(日本予想価格:15,980円〜16,980円(税込))
LEGO® スター・ウォーズ™ SMART Play™:スローンルーム・デュエル&Aウイング™ ビルディングセット

- セット番号:75427
- 対象年齢:9歳以上
- ピース数:962
- サイズ:高さ約5.5インチ(14cm)×長さ約11.5インチ(29cm)×幅約19インチ(49cm)
- LEGO SMART ブリック ×2
- ルーク・スカイウォーカー、皇帝パルパティーン、ダース・ベイダーのLEGO® SMART ミニフィギュア ×3
- Aウイング、玉座、デス・スター・タレット、ライトセーバー・デュエル(タグ2枚)のSMARTタグ ×5
販売情報:
- 予約開始:2026年1月9日
- 発売日:2026年3月1日
- 価格:159.99 EUR / 159.99 USD / 139.99 GBP / 249.99 AUD(日本予想価格:15,980円〜16,980円(税込))
LEGO SMART Play™は“大人のレゴ”にも関係あるのか?

AFOL視点で見たSMART Play™の可能性
AFOLの視点でSMART Play™を見たとき、最も可能性を感じるのは「展示」や「体験型MOC」の新しい領域です。
これまでのレゴ作品は、基本的に“見る側が読み取る”ものでした。悪く言えばオリジナル作品を展示して終わりだったのです。造形やスケール、構造の工夫は、鑑賞者の想像力に委ねられてきた部分が大きいと言えます。
SMART Play™が加わることで、その関係性が少し変わるかもしれません。作品が動きや音で反応し、鑑賞者の行動に応じて表情を変えることで、作品の側から「こちらを見てほしい」「この場面を感じてほしい」と語りかけてくるようになるのです。
これは、派手な演出で目を引くという話ではありません。
一歩近づいたときに環境音が立ち上がる、キャラクター同士が触れ合った瞬間に物語が動き出す。
そうした“静かな体験”を設計できる点に、AFOLにとっての大きな可能性があります。今回はSMART Play™の発表第一弾ですが、このシステムが進化すれば作品の可能性も大きく変わるのではないかという気がしています。
「電子ギミック嫌い」なAFOLでも評価できる理由
レゴファンの中には、電子要素が苦手な人も多いでしょう。「プログラミングが難しそう」と敬遠していたのは私のことです。
「結局ブロックの自由度を奪うのではないか」「完成形が固定されるのではないか」
そう感じるのは、AFOLとしてとても自然な感覚です。
SMART Play™が評価できるのは、そうした不安をきちんと理解した設計になっている点です。
技術が前面に出過ぎず、操作方法を学ばせることもない。
あくまで主役はブロックであり、テクノロジーは裏側に徹しています。
ブロックの組み替えを制限せず、正解の遊び方を押しつけない。その姿勢だけでも、SMART Play™が“勢いで作られた電子ギミック”ではなく、
レゴという遊びの本質を踏まえた上で、慎重に設計された仕組みであることが伝わってきます。
AFOLにとってSMART Play™は、「レゴが別物になる」存在ではありません。
むしろ、これまで頭の中で想像していた物語や空気感がより伝わりやすくなり、作品を見てくれた人と作者を繋げてくれる——
そんな立ち位置の進化をさらに見せてくれるかもしれません。
LEGO SMART Playはレゴをどこへ連れていくのか?
この仕組みが、すべての人にとって正解かどうかは、まだ分かりません。実際に触れてみて、遊び込んでみて、初めて見えてくる部分も多いはずです。
ただ一つ確かなのは、SMART Play™が“思いつき”や“流行り”で作られたものではない、ということではないかと思います。
レゴという遊びが何でできているのかを理解した上で、慎重に、しかし確信をもって一歩だけ踏み出した進化だと感じました。
レゴはまた少し、新しい創造の面白さに気づかせてくれました。これからも作品づくりを大いに盛り上げてくれると期待しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。次回の記事もお楽しみに。それではまた!
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