【LEGO】芸大出身者が教えるレゴ作品の新作アイデア発想方法

こんにちはKeiです。この記事では自分の考えているレゴ作品のアイデア発想法を書いていきます。

美大出身のクリエイティブ方法が万人に共感してもらえるとは思えませんが、少しでも刺激となる箇所があってみなさんのヒントになればと思います。最後までどうぞお楽しみください。

先に結論から書いてしまいますね。

特別なことはやってません、毎日ひたすらアイデアを苦しみながら出し続けています。…いや待て、それじゃ元も子もないやん!笑

でも、実はこのアイデアを生み出し続ける行為は訓練でどうにかなります

一般的に美大受験で最初にイメージされやすいデッサンがこの訓練法です。発想力は観察力から始まります。デッサンはどれだけモチーフを観察して、どうしたらそれを表現できるかをもがきながらも効果的に会得していくものです。デッサンで食っている画家っていないですよね。あくまでも基礎演習だからなんです。

入ってくる情報を頭の中で表現方法に処理して指先に伝達する作業を画力を上達させながらひたすら繰り返すのがデッサンというものです。

発想力訓練はデッサンだけではありません。アウトプットの量をひたすら増やすことを美術予備校の課題でやったことがあります。

たとえば「1週間で椅子のデザインを100個考えてこい」です。

20個くらいはすぐ出るんです。50個くらいから似たようなものが量産されてしまう苦行がはじまります。笑

そして、提出すると新しい課題が出されるんです。

「来週中に、そのアイデアとは違う新たな100個の椅子モック(模型)を作ってこい」です。

耳を疑い、高校3年生だったKeiは膝から崩れ落ちました。笑

これもじつは日頃の観察力を養う訓練になるんですね。インプット&アウトプットの筋トレです。

アイデア発想術

レゴ作品のアイデアネタですが、今ぼくは187個ストックがあります(ノートの行数かぞえたw)。100個以上たまったらそれらを見返し、タイミングの良さそうなアイデアを磨き上げていきます。ビジネス業務でよく使われるKJ方法(付箋などで整理・分類・転換を効率よくまとめていく方法)など色んなやり方を試しながら原石をダイヤに変える作業です。

僕の場合のアイデア発想法

メモ帳イメージ

普段から思いついたキーワードを何でもメモっていっています。もう毎日の習慣です。メモする重要性は、頭の中に入れたままだと記憶がうすれたり、その時のイメージと変わってくるからです。

スマホの打ち文字では綺麗になってしまうので必ずメモは手書き、そして可能ならスケッチも加えます。アイデアが浮かんだ時の感情や状況などが走り書きした痕跡から浮かんでくるのです。

そして時折マインドマップに吐き出して頭の中を整理・分析しています。アイデアも鮮度がありブラッシュアップさせ続けないと埃をかぶって腐っていくものです。

ここまで読んで少しでも身構えてしまったあなた。斬新なアイデアなんて出てこないと気楽に考えて良いです。そもそも斬新なアイデアなんて先人がとっくの昔に生み出してます。数十年生きてきただけのちっさい脳みそで、もの凄いものなんてまず出ません。笑

それよりも自分がそれをやる意味を優先して考えてください。アイデアのフォーマットは二番煎じでもいいんです。

レゴ銭湯作品
レゴ作品「銭湯でパニック」を見る

風呂場のレゴ作品なんて誰でも思い浮かびます。そこにどう自分の伝えたいことを乗せていくか、です。

じつは美術講師をやっていたことがあります。

「俺は美術的センスがないからムリっすよ…w」という生徒に言いました。君はなぜ今日その服を着てきたのかと。店に行けばかっこいいパッケージデザインに心奪われ手に取ったことがあるでしょう。(今日はこの服の組み合わせで出かけよう)と無意識に色の組み合わせを気にしているはずです。髪型も納得いくまで鏡を見るはずです。

センスというのはそれぞれの個性でもう全員が持っているものです。自信を持ってください。あとは面倒臭がらず子供が文字の練習をするように、筆を持って表現の幅を広げるだけです。

図書館の本棚

何も浮かばず煮詰まってきたら図書館や本屋に行くことも多いです。知らない本棚を徹底的に潰していきます

ぼくは人との待ち合わせは金時計(名古屋駅の待ち合わせスポットw)じゃなくて、毎回駅前の本屋にしています。どちらが待たされても時間を有効利用できるのでオススメですよ。子供に戻ったつもりでコロコロコミックを買うこともあります。女性誌を読み漁ることもあります。医者になって手術専門書を借りることもあります。笑

知っているつもりの得意分野の棚も先入観を捨てて見直したりします。どんなに深く知っていることも知ったかぶりは危険信号です。情報は更新され続けるからです。

そして良いなと思ったことは実際にやってみたりもします。例えばぼくの場合は児童養護施設へのボランティアもそうでした。このブログ開設だってそうです。本だけで全て分かった気にならない方がいいです。意外なところに面白いアイデアが潜んでいるのです。

本をこんなに熱弁したくせに、本が全てじゃない!!です。笑

とはいえ、数千円でコスパよく他人の価値観に触れることができるのが本の良さです。タダで観れるYoutubeの信用しきれない動画をダラダラ見るより、質の良い情報を選択してください

創作活動のモチベーションが下がったなと思ったら美術館に足を運んだりもします。作者の熱量にパワーを貰いたいからです。アートに触れることは自分自身を見つめることです。自分だけの世界に入れます。

美術鑑賞の初心者なら、気合を入れて順路に沿って全部見るのではなく、さーっと見渡した中で好きなものを見つけてじっくり見る方法をオススメします。

美術館

最初は「もし自分が買うとしたらどの彫刻が欲しいかな」「この絵はリビングに飾ってみたい」くらいで十分です。自分の好きは果たしてどんなもので、なぜ好きなのかの問いに向き合ってじっくり答えていきましょう。そこから新しい自分を発見するかもしれません。

自分は何者なのか、何者になりたいのかを作品鑑賞を通して頭がスッキリしてくることがあります。同じ絵画でも見る回数によって変わってきます。アイデアのヒントになることもあります。

自分自身を深く知ることで、好きなものや世界観が少しずつ変わってきたなと感じたりもします。

自分の作風って何だろう?オリジナリティってどうやって出すんだろう?と悩んだら、

好きの理由をちゃんと考えることから始めてみてください。そういえば、美大の教授から1年生のころ「やばい」「可愛い」禁止令が出されたことがありました。

美術の世界では、可愛いという何でもありの便利な形容詞で頭の思考を止めてはいけないのです。

アイデアから作品制作に移る

料理人になったつもりで手にもった材料をどう調理するか考えましょう。逆さから観察してみたり、俯瞰してみたり、触ってみたり色々試してみます。いつも新作を考える場所は変えています。静かなカフェから、うるさいファミレスまでできるだけ新しい場所にしています。

そこで言葉やイラストでエスキースをしている最中に、組み立て方や配色、写真の映り方、展示のやり方をどんどん膨らませていきます。実はこの下書き段階で8割の作業を終わらせてしまいます。写真の撮り方、発表する日時や投稿する文章内容までを出発前に準備しておきます。

あとはレゴブロックを手にして組み立ての旅スタートです。もうインストはノート1ページの中に最後まで書かれているので、この段階で外注に出してしまいたい気分にすらなります。笑ラジオを聴きながら、友達と通話しながら、ただひたすら手を動かすだけです。眠さの限界が来るまで。

美大の課題はこの限界状態が気持ちいいんですよね。インストを超えてくる瞬間は脳みそ昇天します。笑

出来上がったものを見て、満足いかなかったら崩すだけです。トライアンドエラーです。

もう自分の中でどんなゴールかは決まっているので、表現手法や組み方を変えるだけですから迷いは起きません。

犬山城なんて、納得いかないから一回崩して作り直しましたよ。笑

犬山城
レゴ作品「国宝犬山城」を見る

いかがでしたか。

苦しくても生み出し続けることで得られる快感がアートにはあります。千辛万苦してできるものにこそ人の心を動かす作品になるとぼくは信じています。

みなさんのアイデアの種はそのままにせず、たくさん水をあげて発芽させてください。それがあなたのクリエイティブ力です。

それでは、また。