レゴは湿度・紫外線・温度で劣化する?

「レゴはプラスチックだから、多少雑に置いても大丈夫」そう思っている人は、実は少なくありません。

しかし、レゴを長く集めているAFOLの間では、湿度・紫外線・温度 がレゴの状態を大きく左右することは常識に近い話です。掃除や保管に気を配っていても、環境を誤ると劣化は静かに進行していきます。

この記事では、湿度、紫外線、温度という3つの環境要因が、レゴにどのような影響を与えるのかを、できるだけ専門用語を使わずに、実例ベースで解説します。「今は問題なさそう」な人ほど、ぜひ一度読んでみてください。

まず大前提として知っておきたいのは、レゴは非常に品質の高いABS樹脂で作られているものの、永久に劣化しない素材ではないという点です。

ABS樹脂は、強度、精度、耐久性に優れており、通常の玩具よりはるかに長持ちします。しかしそれでも、環境の影響を長期間受け続ければ、確実に変化します。特に影響が出やすいのが、見た目では気づきにくい「じわじわした劣化」です。

日本でレゴを保管するうえで、最も見落とされがちなのが湿度です。

湿度が高い環境では、次のような現象が起こりやすくなります。

  • ミニフィグやパーツ表面がベタつく
  • パーツ同士が貼り付いたように感じる
  • 印刷部分が曇る・にじむ

これは、樹脂に含まれる成分や、周囲の空気中の水分が影響して起こります。特に、密閉されたケースや袋に入れっぱなしの場合、内部に湿気がこもりやすくなります。

一見きれいに保管しているつもりでも、数年後に開けてみると「なんとなく触感がおかしい」と感じることがあります。

逆に、「除湿しているから安心」と思うのも危険です。極端に乾燥した環境では、樹脂が硬化しやすくなり、ミニフィグの腕や脚にヒビが入りやすくなることがあります。

特に古いミニフィグや、長期間動かしていない関節部分は注意が必要です。

理想は、人が快適と感じる湿度=レゴにも比較的優しい環境と覚えておくと分かりやすいでしょう。

完全密閉ではなく、
・通気性
・緩やかな除湿
を意識するだけで、劣化の進行は大きく変わります。

紫外線は、レゴにとって最も分かりやすく、かつ回復できないダメージを与えます。

白や淡い色のレゴパーツが黄ばんでしまう現象は、紫外線による樹脂の化学変化が原因です。

これは汚れではなく、素材そのものが変質している状態なので、完全に元に戻すことはできません。

直射日光だけでなく、
・窓際
・長時間点灯する蛍光灯
などでも、ゆっくりと影響を受けます。

ミニフィグの顔や胴体のプリントも、紫外線には弱い部分です。色あせ、輪郭のぼやけ、細かい文字の消失などが起こります。

特に展示目的で飾っている場合、「気づいたときにはもう戻らない」というケースが多く見られます。

大切なのは、光を完全に遮断することではなく、浴び続けないことです。

・直射日光が当たらない場所
・照明の直下を避ける
・展示期間を区切る

といった工夫だけでも、ダメージは大きく軽減できます。

温度は、湿度や紫外線ほど話題になりませんが、長期的には無視できない要素です。

高温になると、樹脂はわずかに柔らかくなります。その状態で重みや力がかかると、

  • ミニフィグの脚が歪む
  • プレートが反る
  • 関節の保持力が弱くなる

といった変化が起こりやすくなります。夏場の屋根裏、車内、直射日光の当たる棚などは要注意です。

実は、一定の温度よりも、温度差の大きい環境を行き来することの方が問題になる場合があります。

急激な温度変化は、樹脂内部に微細なストレスを蓄積させ、ヒビや割れの原因になることがあります。

ここまで読んで、「ちゃんと掃除して、ケースに入れているのに?」と感じた人もいるかもしれません。

理由はシンプルで、掃除や収納は“対症療法”、環境管理は“予防”だからです。掃除は今ある汚れを落としますが、湿度・紫外線・温度は、気づかないうちに未来のダメージを積み重ねていきます。

だからこそ、「掃除 → 保管 → 環境」という順番で考えることが重要になります。

完璧な環境を作る必要はありません。重要なのは、「避けられるリスクを避ける」ことです。

  • 直射日光の当たる場所を避ける
  • 密閉しすぎない
  • 極端な高温・低温を避ける

これだけでも、10年後の状態は大きく変わります。

レゴは非常に丈夫な玩具ですが、湿度・紫外線・温度という環境要因からは逃れられません。壊れた瞬間に気づく劣化ではなく、静かに進行し、気づいたときには戻らない劣化が多いのが特徴です。だからこそ、
・掃除
・保管方法
・置く場所

をセットで考えることが、レゴと長く付き合うための最善策になります。「まだ大丈夫」な今こそ、一度、保管環境を見直してみてください。それが、数年後の後悔を防ぐ一番の近道です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。次回の記事もお楽しみに。それではまた!


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