「ブロック玩具の王者はどこか?」と聞かれたら、多くの人が真っ先に思い浮かべるのがLEGO(レゴ)でしょう。実際、あるデータではレゴの玩具市場シェアは 11.1%。数字だけ見ると小さく感じるかもしれませんが、最も近い競合他社の約3倍という規模感だとされています。さらに、2023年に多くの玩具ブランドが伸び悩んだ時期でも、レゴは 売上高成長率5.6% を記録した、という報告もあります。
なぜレゴは、これほど強いのでしょうか。
ここでは「レゴが選ばれ続ける理由」と、知っておきたい主要な競合ブランドについて、分かりやすく整理します。
レゴの強さの土台は「品質」にある

レゴが長年支持されてきた最大の理由は、やはり品質です。ブロック玩具は「組み合わせて遊ぶ」特性上、精度と耐久性がそのまま体験の質を左右します。レゴが評価されやすいポイントは、主に次の3つです。
1)精密成形で“どの年代のブロックも噛み合う”
レゴは、ブロック同士が気持ちよくはまる「フィット感」が安定しています。新しく買ったブロックと、昔のブロックを混ぜても違和感が少ない。これはコレクターほど実感しやすい利点です。
2)ABS樹脂の強さと、扱いやすさ
レゴの多くはABS樹脂が使われ、耐久性・強度・耐衝撃性に優れます。頻繁に組み替える遊びにも向いていて、ブロックがしっかり保持される“クラッチ力”にもつながります。
3)品質管理で“当たり外れ”が起きにくい
同じ製品でも品質にばらつきがあると、組み立てのストレスになります。その点、レゴは一定の品質が期待できるブランドとして信頼を積み上げてきました。
もちろん、これだけが理由ではありません。品質は「入り口」であり、レゴの強さはさらに別のところにもあります。
レゴが世界でリードし続ける理由

1)テーマの幅が広く、世代をまたいで刺さる
レゴは、子ども向けだけでなく大人向けのラインナップも強いのが特徴です。映画・ゲームなどの大型IPから、建築、アート、植物、メカ、乗り物まで、好みに合わせて「自分の入り口」が見つかります。
特に人気が強い領域としては、次のような系統が挙げられます。
- 映画・IP系:スター・ウォーズ、マーベル、ハリー・ポッター など
- 冒険・ファンタジー:城、海賊、宇宙 など
- メカ・工学系:テクニック系、レーシング/エンジニアリング系
そして最近は、リアルな製品体験をデジタルへ拡張し、ゲームやオンライン上での接点を増やしている点も、裾野拡大につながっています。
2)MOC文化が「買う」だけでなく「創る」方向へ広がる
レゴの魅力は、公式セットを組むだけではありません。手持ちのパーツで自由に作品を作る MOC(My Own Creation) の文化が根付いています。
さらに、ファン同士が作品を共有し、作り方(説明手順)を公開し、改良し合う——。この循環があることで、レゴは「遊び」から「創作・コミュニティ」へと進化します。
極端な例では、膨大なピース数と人数、年単位の制作期間を要するような巨大ジオラマが作られることもあります。こうした事例は、レゴが単なる玩具を超えて“創作媒体”になっていることを象徴しています。
3)学び・思考の体験として成立している
組み立ては、自然と「問題解決」や「空間把握」を伴います。大人でも没頭できますが、子どもにとっては特に、
- 試行錯誤する力
- 論理的に組み上げる力
- 形をイメージする力
につながりやすいと言われます。
また、大型セットを複数人で組む過程には、役割分担や協力といった要素も入り、チームでの体験価値も生まれます。
4)コミュニティが大きく、情報と流通が回る

レゴはファン人口が多く、作品発表・交流・売買などの動きが活発です。結果として、限定品や廃番品の情報も集まりやすく、「好きな人が集まる場」が維持されやすい構造になっています。
5)販売網が広く、手に入りやすい

大手小売・オンラインを含め、入手チャネルが多いことも強みです。新作の発売情報が出ると、複数ルートで購入できるため、ブランド規模の大きさがそのまま“買いやすさ”につながります。
主要な競合ブランドと、レゴとの違い
ここからは、レゴと比較されやすい競合を簡潔に整理します。
Playmobil(プレイモービル)

小さなブロックを積み上げるというより、大きめのパーツで「シーン遊び」を作るタイプ。組み立ては最小限で、ロールプレイ(ごっこ遊び)に強いのが特徴です。
- 向いている人:物語遊びが好き/組み立てが複雑すぎない方が良い
- レゴの強み:分解して作り替える自由度、パーツ資産の再利用性
BlueBrixx(ブルーブリックス)

比較的新しいブロックブランドで、価格面で注目されやすい存在。セット数が多く、建築・乗り物などのラインナップを広げています。標準的なブロックはレゴと併用できる場合がありますが、互換性や品質の安定度は製品によって評価が分かれることがあります。
- 向いている人:価格重視/拡張用パーツとして試したい
- レゴの強み:流通の広さ、テーマ・品質・ブランド体験の総合力
Cobi(コビ)

軍用車両や歴史系車両など、ミリタリー/歴史ジャンルに強いメーカーとして知られます。レゴでは扱いにくい領域をカバーしている点が特徴です。ブロック品質への評価が高いという声もあり、テーマが刺さる人にとっては有力な選択肢です。
- 向いている人:ミリタリー/歴史車両が好き
- レゴの強み:テーマの圧倒的な広さ、一般的に高いリセール価値
レゴ以外を検討するのはどんな時?

競合製品を検討する理由は主に2つです。
- 価格を抑えたい(レゴはどうしても高くなりやすい)
- レゴにないテーマが欲しい(軍事・特定ジャンルなど)
一方で、「パーツ資産を積み上げて長く遊ぶ」「テーマの広さで選びたい」場合は、総合力でレゴに戻ってくる人が多いのも事実です。
結論:レゴが強いのは“品質+文化+流通”の総合力

レゴは単にブロックの精度が高いだけではありません。
テーマの幅、創作文化、学びの体験、コミュニティ、流通——これらが噛み合って、ブランドとしての強さが成立しています。
ブロック玩具を始める人、プレゼントを探す人、コレクターまで。
幅広い層にとって「選んで失敗しにくい」ブランドであり続けることが、レゴが業界をリードする最大の理由だと言えるでしょう。
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