LEGO® Pokémon 製品情報解禁。何故ミニフィグ化しなかった?

2025年末、私は「レゴ×ポケモンは成功するのか?」という予想記事を書きました。そこで提示した結論は、今回のコラボは単なる人気キャラクターの商品化ではなく、レゴと任天堂系IPの関係性が「次の段階」に入ったことを示す象徴的な出来事だ、というものでした。

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そして2026年発売予定の LEGO® Pokémon に関する製品情報が明らかになりつつある今、その仮説がどこまで現実と一致していたのかを検証できる段階に入ったと言えます。本記事では、新製品のスペックや価格を並べるのではなく、「なぜこの形になったのか」という設計思想に焦点を当てて検証していきたいと思います。

予想記事で私が強調したのは、ポケモンがレゴにとって「造形が難しいIP」ではなく、「改変されにくいIP」だという点でした。

レゴは本来、省略や再解釈を前提としたプロダクトです。しかしポケモンは、世界規模で“正解の姿”が強く共有されており、自由度を上げすぎると、かえってIPの安定性が損なわれます。そのため私は、レゴ×ポケモンはユーザーの自由な改変を前面に出すのではなく、公式が提示する完成形を尊重する方向に寄るのではないか、という仮説を立てました。

製品情報から見えてきた方向性は明快です。
今回の LEGO® Pokémon は、「作り変えさせるレゴ」ではなく、「ディスプレイとして楽しむレゴ」だということです。

キャラクターの再現性が最優先され、遊びの導線や拡張性は控えめに設計されています。ここで重要なのは、対象年齢の話ではありません。設計の主語が「ユーザーの自由」から「公式の正解」に移っている、という点です。

これはレゴがポケモンというIPを軽視しているのではなく、むしろ非常に慎重に扱っている証拠だと感じます。

結論から言えば、予想は大枠で当たっていたと考えています。
ディスプレイ志向、キャラクター再現の最優先、MOC前提ではない設計。この3点はいずれも、予想記事で指摘した通りでした。

むしろ想定以上だったのは、「自由度をあえて抑える」割り切りの強さです。レゴは余白を与えなかったのではなく、余白を与えることでIPが不安定になる領域を正確に見極めた。その判断が、今回のプロダクト全体に一貫して表れています。

レゴがポケモンを「レゴ化した」のではなく、ポケモンを壊さない範囲でレゴの形式に落とし込んだ。そのように見るのが自然でしょう。

製品情報解禁後、「ミニフィグ化してほしかった」という声が多く見られました。レゴにおいてミニフィグは象徴的な存在であり、IPコラボにそれを期待する心理は自然です。

しかし私は、今回ミニフィグを出さなかった判断は妥当だったと考えています。ポケモンの世界において主役は常にポケモンであり、人間キャラクターは物語を進行させるための媒介的存在です。ここにミニフィグという強い“遊びの装置”を持ち込むと、ポケモン全体の主軸がトレーナー側に寄ってしまうリスクがあります。

さらに現実的な問題として、どの主人公やトレーナーを出すのか、どの世代を優先するのか、といった議論は避けられません。ミニフィグを出さないという判断は、物足りなさではなく、IPを安定させるための線引きだったと見るべきでしょう。

ミニフィグが無いことは欠点ではありません。それは、ポケモンというIPを正しく扱った結果だと思います。

今回のコラボは、「レゴらしさ」と「IPの正しさ」のどちらかを捨てた話ではありません。レゴは、レゴらしさの発揮の仕方を変えたのだと思います。

レゴらしさとは、必ずしも自由に改変できることだけを指すものではありません。制約の中で最適解を作る設計力や、抽象化によって形を成立させる力も、レゴの本質です。ポケモンのようなIPでは、自由度よりも「制約の中の完成度」が価値になります。

その意味で今回の LEGO® Pokémon は、ユーザーの創作を否定したのではなく、公式が責任を持って提示すべき完成形を優先したプロダクトだと言えるでしょう。

では、MOCとの親和性が低いテーマはAFOLにとって魅力がないのでしょうか。私はそうは思いません。

公式セットが強い完成形を提示することで、ユーザーの創作は別の方向に広がります。ポケモン本体を改変するのではなく、展示方法や台座、ジオラマ、世界観の背景といった領域で工夫する余地は十分に残されています。

つまり今回のテーマは、「何を作り変えるか」ではなく、「どう見せるか」に創作の主戦場が移る設計です。制約があるからこそ生まれる工夫もあり、それはAFOLにとって決してつまらない条件ではありません。

LEGO® Pokémon は、レゴがポケモンを自社の型に無理に当てはめたプロジェクトではありません。改変耐性の低いIPを壊さないために、あえて余白を削り、完成度を優先したプロジェクトです。

ミニフィグが無いのも、その延長線上にあります。足りないのではなく、線を引いた。その線引きは、レゴと任天堂系IPの関係性が成熟したことを示しています。

ポケモンコラボは、「ポケモンが好きだから」注目すべき企画ではありません。
レゴが今、IPとどう向き合い、どこまで自由を渡し、どこから公式の正解を守るのか。その姿勢を読み解くためのテーマだと私は考えています。

発売日は記事執筆時点でまだ出ていませんが、新しいレゴの挑戦を手に入れる日が待ち遠しいですね!

最後まで読んでいただきありがとうございました。次回の記事もお楽しみに。それではまた!


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