LEGO制作は設計が9割|作る前に考えるべきこと

LEGO制作というと、「とにかく手を動かして作り始めるもの」というイメージを持っている人は多いかもしれません。箱を開け、パーツを広げ、直感のままに積み上げていく。その行為自体は確かに楽しく、LEGOの本質的な魅力でもあります。

しかし、展示作品・大型MOC・長期間かけて作る作品になればなるほど、完成度を左右するのは「作り始めてからの技術」ではなく、作る前の設計です。体感的には、LEGO制作の成否は設計段階で9割決まっていると言っても過言ではありません。

この記事では、「なぜLEGO制作は設計が重要なのか」「作り始める前に何を考えるべきなのか」を、AFOL視点・実制作の経験を前提に整理していきます。

LEGOは自由度が高い分、設計を疎かにすると必ずどこかで破綻します。

  • サイズが想定より大きくなりすぎる
  • パーツが途中で足りなくなる
  • 重量に耐えられず崩れる
  • そもそも完成しない

これらはすべて「作りながら考えればいい」と思った結果、後半で起きる問題です。
LEGOは柔軟な素材に見えて、実は物理法則・パーツ制約・予算・時間という現実に強く縛られています。

設計とは、これらの制約を事前に把握し、完成までの道筋を描く行為です。
逆に言えば、設計ができていれば、制作中に多少の迷いがあっても軌道修正ができます。

最初に考えるべきなのは、「何のために作るのか」です。

  • 展示会に出す作品なのか
  • 自宅で飾るための作品なのか
  • 写真・SNS用なのか
  • Ideas応募やコンテスト用なのか

目的が違えば、正解の作り方はまったく変わります

例えば展示作品であれば、

  • 遠目で見た時のシルエット
  • 観客導線からの見え方
  • 耐久性・輸送性

が重要になります。一方、写真用であれば、

  • カメラアングル
  • 背景との関係
  • 奥行きの演出

が優先されます。

「とりあえず作りたいから作る」という状態では、設計の軸が定まりません。
まずは完成した状態で、誰にどう見せたいのかを言語化することが重要です。

設計で最も重要なのがサイズ感の決定です。

  • 幅・奥行き・高さ
  • ミニフィグスケールか、ミクロスケールか
  • 既存作品・セットとの比率

サイズを決めずに作り始めると、ほぼ確実に途中で破綻します。
特に街並みや建物MOCでは、「思ったより大きくなりすぎた」「置き場所がない」という問題が頻発します。僕も「大きすぎて扉から出せない!」「(家の)エレベーターを使用できない!」なんてミスをしてしまったことがあります。笑

おすすめなのは、最初に最大サイズを決めてしまうことです。

  • ベースプレート何枚分か
  • 棚・ケースに収まるか
  • 箱やコンテナに入るか
  • どこで分割させるか

この制限があることで、設計に緊張感が生まれ、完成度が上がります。特に「どこで分割させるか」を忘れないようにしましょう。何分割かさせ、会場でユニットを接合させるのを想定して制作します。展示会場が家から離れるほど、細かく分割することで輸送中に作品が大破することを防ぐことができます。

設計とは、頭の中に完成形を描くことです。
ここで重要なのは、「細部まで完璧に想像する」ことではありません。

  • 全体のシルエット
  • 高低差
  • 主役と脇役の関係

この大きな構造イメージがあるかどうかで、制作の迷いは大きく変わります。

多くの未完成MOCは、「途中で何を作っているのか分からなくなる」ことで止まります。
完成形が見えていないと、パーツを積む意味が分からなくなるのです。

ラフスケッチ、スマホのメモ、参考写真の保存など、方法は問いません。
完成の方向性を外に出すことが重要です。

LEGO制作は、理想と現実の戦いです。
特に重要なのが「手持ちパーツ」と「調達可能性」。

  • 色数は足りているか
  • 大量に使うパーツは何か
  • レアパーツに依存していないか

設計段階でこれを無視すると、後半で必ず詰みます。

良い設計とは、現実的なパーツ構成を前提にした設計です。
逆に言えば、パーツ制約を理解している人ほど、設計が上手くなります。

「この色は高いから別案にする」
「この形はパーツ的に無理がある」

こうした判断は、作り始める前に済ませておくべきです。

意外と見落とされがちなのが、「完成させる設計」です。

  • 制作にかけられる時間
  • 集中力の限界
  • モチベーションの維持

どんなに素晴らしい設計でも、完成しなければ意味がありません。
大型MOCほど、途中で止まるリスクを常に抱えています。

おすすめなのは、

  • 小さな完成ポイントを設ける
  • ブロック単位で区切る
  • 「ここまでできたら一度完成」と決める

といった設計です。

完成を前提にしない設計は、自己満足で終わります。
完成させることも、立派な技術です。

設計が9割というのは、「作る楽しさを奪う」という意味ではありません。
むしろ逆です。

設計ができていると、

  • 迷わない
  • 手戻りが少ない
  • 判断が早い

結果として、制作は圧倒的に楽しくなります。

「今日はここを作る」と分かっている状態で組むブロックは、ストレスがありません。
LEGO制作がしんどくなるのは、設計不足による迷いが原因であることがほとんどです。

LEGO制作において、設計は「準備」ではありません。
設計そのものが創作行為です。

  • 何を作るか
  • どう見せるか
  • どこまで作るか

これらを考える時間こそが、LEGOの最もクリエイティブな瞬間と言えます。

もし今、制作が途中で止まりがちなら、
「自分は設計を飛ばしていないか?」と一度立ち止まってみてください。

ブロックを積む前に考えること。
それが、LEGO制作を次のレベルへ引き上げる一番の近道です。これからも一緒にレゴ活を楽しみましょう。それではまた。

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