こんにちは、Keibricksです。
私たちは普段、あまりにも当たり前のように「LEGO」のロゴを見ています。赤い背景に白い文字、黄色と黒の縁取り。玩具売り場でも、広告でも、SNSでも、ひと目見ただけで「レゴだ」と分かるあのロゴです。しかし、その完成された姿に至るまで、LEGO社は何度も試行錯誤を重ねてきました。
LEGO社は、単なるおもちゃメーカーではありません。「組み立てて終わり」ではなく、「壊して、また作る」ことを前提にした遊びを世界に広めてきた、極めて思想的なブランドです。そしてロゴもまた、その思想を外側から支える重要な存在でした。時代背景、事業の成長、遊びの定義の変化に合わせて、ロゴは少しずつ姿を変えながら、ブランドの“らしさ”を探し続けてきたのです。
この記事では、LEGO社のロゴがどのような変遷をたどり、なぜ現在の形に落ち着いたのかを、歴史と意味の両面から整理していきます。ただのデザイン年表ではなく、「なぜこのロゴでなければならなかったのか」という視点で、レゴというブランドをもう一段深く理解するための入口になれば幸いです。
「LEGO」に込められた意味
LEGOはデンマーク語の”LEG GODT”(よく遊べ)から作られた造語です。子供たちが遊びを通して創造性を育み、潜在能力を引き出し、終わりなき可能性を追求できるように、という願いが表現されています。ラテン語では「組み立てる」という意味もあるようです。

初めてのロゴ

最初のこのカッコイイ黒枠のタイポグラフィで作成されたシンプルなロゴは、1934年に創業者のオーレ・カーク・クリスチャンセンによって初めて作成されたものです。四角い枠の中に「LEGO」という文字が書かれたシンプルなものでした。当時は印刷可能な文章などにのみ使用されていました。






その後は何度かロゴの形を模索し続け、1953年には現在の原型となる「ソーセージ・ロゴ」の愛称で知られる赤字に黒で縁取られた丸みのある白文字になります。情熱や行動力の意味を表す赤を背景に白抜きのロゴタイプはとても目立ちますね。ちなみに代々使われてきたこの書体はオリジナルフォントだそうです。1950年に生まれたロゴは自動車のBMWやFIATに似ていて、男の子がいかにも好きそうな形ですね(笑)。1946年と1953年のロゴは金色を取り入れたりととても装飾的で、形もブロックのような直線的な要素が印象的です。
近年では、Legothick フォントというLEGOのロゴに似せた書体がファンによって作られています。
時代に合わせたロゴの模索




1955年にはLEGOのブランド名の下に「MURSTEN(デンマーク語でブロックの意味)」の文字を入れた新しいロゴに変更されます。その後、上部に「system i leg…(遊びのシステム)」の文字を取り入れますが、翌年にはシンプルに「SYSTEM」のみになりました。LEGO社がまだ模索している感じが伝わってきますね。


1958年には再びロゴに赤い楕円を取り入れ、数年間は形を変えながらレゴらしさを体現するブランドアイコンを探っていくことになります。同年には唯一の青いロゴマークも存在しており、この商品を持っている方はなかなかのレアですね!あまりしっくりこなかったのか、すぐに赤い色に戻されました。


ブランドロゴの確立

1960年代に入るとレゴ社の業績はさらに成長し、新しいロゴを導入することになります。1964年のこの新しいロゴは初めて正方形のロゴとなり、色も赤を中心に黒と白や黄色という現在のカラーリングを採用しており、「LEGO」の文字が斜めに配置されというブランドの特徴的なものも合わせて現在のロゴにかなり近いものが完成しました。このロゴは多くのレゴ製品に使用され、レゴ社の成功の象徴となっていきます。

1973年には今とほぼ同じロゴになります。このロゴは黄色と黒で囲まれた白文字の「LEGO」が完成されており、正方形の周りの黒い線がアクセントとして使われていました。このロゴは1990年代後半まで使用されました。

1998年にわずかなブラッシュアップが行われており、「LEGO」の文字はより見やすいよう工夫されています。LとEの間やOの隙間が埋められたことで読みやすくなりましたね。現在もこのロゴは使用されています!
レゴ社のロゴに影響を受けた企業

あまり知られていませんが、「Google」のロゴはレゴ社に影響されています。Googleロゴに使われている赤、青、黄の三原色は、レゴの基本ブロックからインスパイアされました。そして、Googleは何ものにも流されない意志の強さとして緑色を加えGoogleらしさを表現しています。実はグーグルの創業者であるセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ自身がレゴの大ファンだそうで、「レゴは創造力を解放する、すばらしいツールだ」と語っています。
Google社は採用試験にLEGOを活用したり、GoogleニューヨークのオフィスにはLEGO広場を作っています。きっとGoogleを作るにあたってレゴを触りながら良いサービスとは何かを考えていたのでしょう。自動運転や生命科学なども手がける巨大企業となった現在も、社員が常に創造の精神を忘れないよう、世界各地のオフィスにレゴを用意してレゴを使った社員向けワークショップなどを開いているそうです。
まとめ
LEGO社のロゴを改めて振り返ると、そこには一貫した「遊びへの姿勢」が見えてきます。情熱や行動力を象徴する赤、視認性を高める白、知的好奇心を感じさせる黄色、輪郭を引き締める黒。これらは単なる配色ではなく、「創造することは楽しい」「誰でも参加できる」というレゴの価値観を、瞬時に伝えるための設計でした。
ロゴは完成した瞬間に終わるものではありません。LEGO社は事業規模が拡大し、遊びの対象が子どもだけでなく大人へと広がっていく中でも、ロゴの基本構造を大きく変えず、細かな調整を重ねてきました。それは「変わり続けながら、変えない部分を守る」という、ブランドとして非常に成熟した選択だったと言えるでしょう。
今やLEGOのロゴは、世界中で「創造性」そのものを象徴する記号になりました。Googleをはじめ、多くの企業やクリエイターに影響を与えている事実を見ても、レゴが単なる玩具を超えた存在であることは明らかです。ロゴの歴史を知ることは、LEGOがどのようにして“遊び”を文化にまで昇華させてきたのかを知ることでもあります。
これから先、LEGO社のロゴが大きく変わることはないかもしれません。しかし、その内側に込められた思想は、時代とともにアップデートされ続けていくはずです。ロゴを見るたびに、そんな背景を少しだけ思い出してもらえたら嬉しいです。
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