レゴ社が次にコラボしそうな作品は?【世界中のレゴファンが大予想】

レゴのIPコラボは、もはや単なる話題作りではありません。
近年のレゴ社は、大人向け(18+)市場の拡大地域ごとの需要最適化ノスタルジーと建築性の両立を軸に、コラボ作品を極めて戦略的に選んでいます。

その文脈で見ると、2026年以降に向けて噂されているIP群は、単なる憶測ではなく「レゴ側の思想と合致しているかどうか」でかなりふるいにかけることができます。
本記事では、なぜコラボが有力なのか、そして実現までにどんな課題があるのかを、レゴファンの視点で解説していきます。確実性のない記事ですので、「こんなコラボがあったら良いな!」と気軽に楽しんでいただければ幸いです。

ジブリ作品は、長年にわたって世界中のレゴファンから「レゴ化してほしいIP」の筆頭格として挙げられてきました。なかでも『トトロのバス停』や『千と千尋の神隠し』の油屋は、LEGO Ideasで何度も1万票を突破しており、〈発売されれば売れるという確信〉需要が確実に存在することはすでに証明されています。それでもなお、ジブリとのコラボは長らく「実現が極めて難しい」とされてきました。

その最大の理由は、スタジオジブリが非常に厳格なブランド管理を行う会社だからです。
造形の解釈、デフォルメの可否、商業展開のあり方——そのすべてにおいて、ジブリは一貫した世界観を守り続けています。「組み替え前提」「壊して遊ぶ」ことを文化としてきたレゴとは、思想の出発点が大きく異なり、どうしても正面衝突しやすい関係にありました。
そのため、レゴファンとジブリファンの間では、長年このコラボは半ば“夢物語”として語られてきたのです。

しかし近年、その状況にわずかな変化の兆しが見え始めています。
もしレゴ社が2026年に、ポケモンというジブリと同等、あるいはそれ以上に世界観管理が厳しいIPを、レゴとして成立させ、なおかつ市場的にも成功させたとしたら——次に検討されるテーマとして、スタジオジブリが浮上するのは決して不自然な流れではないでしょう。

ここで重要なのは、ポケモンが成功した場合にレゴ側が得る最大の成果は、売上や話題性そのものではないという点です。
ポケモンは、キャラクターの形や色、世界観に対するファンの許容度が非常に低く、IP管理も極端に厳しいブランドです。そのポケモンを、ミニフィグ化せず、デジタル要素や抽象化を取り入れた形で成立させることができたとすれば、それは
「レゴは、適切な距離感を保てば、世界的IPの本質を壊さずに再構築できる」
という、極めて強い実績になります。

この実績は、他のIPホルダーにとっても無視できない意味を持ちます。とりわけ、世界観の純度を何より重視するスタジオジブリにとって、「レゴ=壊される玩具」という従来のイメージを覆す、重要な判断材料になり得ます。

また近年のレゴは、「文化的モチーフ」「情景・ジオラマ」「鑑賞前提の18+セット」といった大人レゴの方向性を明確に打ち出しています。この潮流は、ジブリ作品が持つ“空間の記憶”や、場所そのものに宿る物語性と非常によく噛み合っています。

それでも、実現までの最大の課題がブランド管理であることは変わりません。
ジブリはキャラクター造形や解釈に対して極めて慎重であり、ミニフィグ化や子ども向けプレイセットとしての展開は、現実的にはほぼ不可能でしょう。仮にコラボが実現するとすれば、人物を極力抑えた建築・情景モデルに限定され、かつ1作品1セットの単発展開になる可能性が高いと考えられます。

名探偵コナンは、欧米圏では「世界的メガIP」とまでは言い切れない一方で、日本・中国を中心としたアジア市場では、世代を超えて通用する圧倒的な知名度を持っています。ここ数年のレゴは、北米・欧州だけでなくアジアでの伸びしろを強く意識しているように見えますし、その文脈で「アジアで強い作品」が候補に浮上するのは自然な流れです。もしレゴが“地域で強いIP”を本気で取りに行くなら、コナンは最初に検討される側の作品だと思います。

レゴ視点で見たコナンの魅力は、「事件そのもの」よりも、実は舞台装置の強さにあります。毛利探偵事務所、喫茶ポアロ、阿笠博士の家、帝丹小学校、米花町の街並み。こうした場所は、キャラが立っていなくても作品の空気が出ます。さらにビートルやスケボー、腕時計型麻酔銃といった“ガジェット”が豊富で、建物+小物+乗り物という、レゴが最も得意な組み合わせが成立しやすい。コナンは一見キャラ物に見えて、実際は「生活感のある街の記憶」を売れるIPでもあるのです。

ただし、ここからが難しいところで、コナンの魅力の中心は「人物の関係性」にあります。誰と誰がどういう距離感で、どの言葉がどこに刺さるか。そこが面白い作品なので、極論を言えば“建物だけ”ではコナンになりきれません。つまり、ミニフィグ展開は避けられない。一方で、ミニフィグを増やしすぎると「キャラ再現の厳しさ」と「権利管理の複雑さ」が一気に跳ね上がります。人気キャラが多いほど、ファンは「なぜこのキャラがいないのか」「顔が違う」「服装が違う」と言い始めます。キャラが増えるほどシリーズが炎上しやすくなるという、コナン特有のリスクがあるわけです。

このジレンマを解く鍵は、レゴが近年いろいろなIPで採ってきた「主役を絞って“象徴シーン”で勝負する」という設計だと思います。例えば、最初は毛利探偵事務所+喫茶ポアロの建物に、コナン・蘭・小五郎の3人(+安室を入れるかどうか)程度に留める。人物を増やすのではなく、代わりに小物と仕掛けで“コナンらしさ”を出すことで商品化しやすくなるでしょう。

スタートレックは、長年「なぜレゴが出さないのか」と言われ続けてきたIPです。とくに U.S.S.エンタープライズ号は、スター・ウォーズのUCSシリーズに並ぶ“理想的な大型ディスプレイモデル”として語られてきました。

これまで実現しなかった最大の理由はライセンスの複雑さでしたが、近年はその整理が進んでいると見られています。加えて、近年のレゴが示している全方位的なIP交渉力を踏まえると、数年以内に18+向けの大型セットとして解禁されても不思議ではありません。

一方で、スタートレックのレゴ化には明確な前提条件があります。それは、完全に大人向けに振り切ることです。子ども向けのプレイセット展開は現実的ではなく、価格帯・サイズともにUCS級になるでしょう。しかしその分、実現した際のAFOL市場へのインパクトは計り知れません。単なる新IPではなく、「レゴが大人のためのメディアであること」を強く印象づける象徴的な一手になる可能性を秘めています。

今回の候補の中で、最も現実味が高いIPとして語られているのがスヌーピーです。とくに、2026年に「キャンプ」をテーマにしたセットが登場するという噂は、製品番号や発売時期まで含めた具体的な情報が出回っており、単なる希望的観測とは一線を画しています。レゴのIP展開を長く見ているファンほど、この種の噂が持つ“温度感”の違いを感じ取っているはずです。

スヌーピーがレゴ向きとされる理由は、キャラクターIPでありながら、物語の中心が派手なアクションではなく、「日常」にある点です。家、庭、キャンプ場、街角といったライフスタイル系の情景は、ミニフィグが主役にならなくても成立し、むしろ建物や空間そのものが価値を持ちます。これは近年レゴが力を入れている18+向けの鑑賞モデルや、静かな情景レゴの方向性と非常によく噛み合います。

一方で課題もあります。スヌーピーは長年にわたり他社がライセンスを保有してきたため、権利の移行が最大のハードルです。ただ、もしこの壁を越えられた場合、スヌーピーは単発の記念セットとしても、複数テーマで展開するシリーズとしても成立する、非常に扱いやすいIPになります。レゴにとっては、大人向け市場を安定して広げるための“堅実で強い一手”になり得る存在だと言えるでしょう。

X-ファイルは、90年代を象徴するドラマとして、今なお根強い人気を持つ作品です。LEGO Ideasでも継続的に支持を集めており、「派手なSF」ではなく、日常に潜む違和感や不安を描いてきた点が、他のIPとは異なる魅力になっています。宇宙人や怪物そのものよりも、FBIオフィスや郊外の住宅、薄暗い森といった一見地味な舞台こそが物語の核であり、これは近年のレゴが得意とする大人向け情景モデルと相性が良い要素です。

一方で、X-ファイルはシリーズ展開に向かないIPでもあります。象徴的な建築や乗り物が少なく、派手なバリエーションを作りにくいからです。そのため、もし製品化されるとすれば、特定の名シーンを切り取った1セット完結型の18+モデルになる可能性が高いでしょう。静かに刺さる、大人のためのレゴとして成立する余地を持った作品です。

長らく権利関係の複雑さが障壁となってきましたが、『月世界探検』に登場するロケットの製品化に関する具体的な噂が浮上したことで、このIPは再び注目を集めています。ロケットはキャラクターに依存しない純粋な構造物であり、左右対称のフォルムや内部構造を含め、レゴが最も得意とする題材のひとつです。ディスプレイモデルとしての完成度も高く、18+向けセットとして成立させやすい点は大きな強みでしょう。

一方で課題となるのは地域差です。欧州では非常に知名度が高いものの、北米やアジアでは必ずしも同等の認知があるとは言えません。そのため、デザイン性や宇宙開発モチーフといった普遍的な魅力をどう打ち出すかが、グローバル展開の鍵になると考えられます。

ゴジラは一見するとレゴと相性が悪そうですが、実は評価が分かれる面白い候補です。理由は、ゴジラそのものよりも、破壊される都市や構造物にあります。

ゴジラを完全再現しようとすると造形難易度が一気に上がりますが、あえて抽象化したゴジラと、壊れかけた街並みを組み合わせることで、レゴならではの表現が可能になります。これは子ども向けというより、完全にAFOL向けのアート寄りモデルです。

万人向けではありませんが、限定・18+路線であれば、強い個性を持つコラボになり得ます。ただし、これはレゴがかなり踏み込んだ挑戦をする場合に限られるでしょう。

現実味という観点で見ると、スヌーピースタートレックは一歩抜けています。どちらも「大人向け」「情景・構造物重視」「ノスタルジー」という、今のレゴが最も得意とする条件を満たしているからです。

一方、ジブリやコナンは市場的価値は非常に高いが、設計と権利のハードルが高い挑戦枠。ここが実現すれば、レゴが次のフェーズに入った証明になるでしょう。

レゴ社の次の一手は、派手さよりも「なぜレゴでやるのか」を説明できるIPとのコラボになるはずです。あなたはどんなコラボがあると思いますか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。次回の記事もお楽しみに。それではまた。


おすすめ記事